増加する大腸がん
以前は日本人は胃がんが最多でしたが現在は大腸がんが増加しています。
また罹患数(病気になる患者数)だけでなく死亡数(大腸がんが原因の死亡数)が増加している点も要注意です。
高齢化社会と食生活の欧米化が大きな原因と考えられています。高齢に伴い発がんしやすくなるのは他の悪性腫瘍と同じですが、大腸の発がんには『便秘』も大きく関与しています。大腸がんの増加には、主として結腸がんの増加が影響していますが、慢性便秘などによるS状結腸がんの増加が大きく寄与していると考えられます。慢性便秘とは糞便が腸管内に長く停留している状態ですが、近年の高脂肪・低繊維食によりわが国では便秘が増加しています。慢性便秘になるとそれだけ長時間にわたって腸管粘膜が便(正確には便中の胆汁酸等)に接触します。これが大腸がん増加の大きな原因なのです。
年齢別にみた大腸がん(結腸・直腸・肛門がん)の罹患率は、50歳代くらいから増加しはじめ、高齢になるほど高くなります。大腸がんの罹患率、死亡率はともに男性のほうが女性の約2倍と高く、結腸がんより直腸がんにおいて男女差が大きい傾向があります。男女とも罹患数は死亡数の約2倍であり、これは大腸がんの生存率が比較的高いことと関連しています。
(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター統計による)
大腸がんを早期発見するために
まずは簡易な便潜血検査を必ず定期的に受ける習慣をつけることが重要です。簡単な検査ではありますが、自覚症状のない多くの進行がんがここで見つかります。しかし出血しない早期がんなどの小さな病変の発見には別の検査が必要です。
大腸の画像検査は大腸CT・カプセル内視鏡など新しい検査法も出てきていますが、見落としが多い、組織検査ができないなどの問題があり、確実な検査法とはみなされておらず、大腸がんの精密検査となるとやはり大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が第一選択となります。
大腸内視鏡検査はしんどい検査として知られていますのでどうしても敬遠されがちですが、近年は内視鏡機器の進化とともに医療者の内視鏡検査手技も向上してきています。楽に検査してくれる医療機関で定期的に検査を受けられることを強くお勧めします。
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